上京したけど森だった話

~あるICU生のひとりごと~

冬学期のはじまり

ここICUのある三鷹の森でも木々が色づき、「秋だなぁ」と日々感じる道産子ですが、「秋じゃなくて冬だよ!」とよく言われます。北海道の秋はだいたい7~17℃くらい?だと個人的に感じているので3,4℃をを下回ってこないと冬だと感じられない部分があります。なのでまだ暖かい冬服を着込むことも出来ず、毎日着る服がないな~と困る日々を過ごしています。

 

そんな中3学期制のICUでは12月から冬学期が始まりました。今日は今学期私が履修している授業がどんなものかを紹介したいと思います。

 

冬のELA

まずはELA。私はStream3なので1年間と1学期ELAがあります。

 

hanamaru5.hatenablog.com

 

1学期分はResearch Writingといってテーマを決めて短い論文を書き上げるもので通常のELAとは少し異なる性格を持っているので、一般にELAというと1年生の1年間で履修するもののことを指します。そんなELAも今学期で最後!辛かった2学期間を思い出し、今学期もまたELAに悩まされるのかな、との思いがこみ上げてきますがこれで最後だ!と思うと不思議と頑張れそうな気がしています。そんなELAの冬学期のテーマは [Bioethics]。AIや医療などといった科学技術が日々発展していく中で忘れてはいけないのが ethics(倫理)や moral(モラル、道徳的規範)について考えることです。例えば車を運転しているときに子どもがいきなり飛び出してきたら、私たちは止まろうとするかハンドルをきって方向を変えようとするでしょう。ですがもし方向を変えた先におじいちゃんが歩いていたとしたら、そのおじいちゃんを負傷させてしまうことになります。子どもとおじいちゃんなら子どもを守るべきだという人もいるでしょう。AIももしかしたらそう判断するかもしれません。でも誰一人として命の価値を比較して天秤にかけることは出来ないはずです。そうなったとき、自動運転技術はどのような判断を下していくべきでしょうか?

科学技術がどんどん発展していく現代で「文系」は終わった学問だとか、無意味であるなどの批判を受けることがしばしばありますが、そんな世の中だからこそ「文系」的思考、哲学的思考で科学や医療技術などの在り方を考えていくことが重要なのではないか、といったことを考えさせてくれる今学期のELAです。

 

教育社会学

他にもいくつかの授業を履修しているのですが、強いて一つ面白いと感じている授業を挙げるとすると教育社会学です。この授業はICUの中で200番台に位置づけられています。100番台はFoundationといって基礎的な内容になっています。200番台と300番台は Area Majorに分類されていて、100番台よりも専門的で難しい内容を扱うことが多いです。今回私が履修している教育社会学ですが200番台と言うこともあってやはり一年生の私には難しい!まず日本語の教科書なのに(私にとっては)難しい言葉や概念が多く出てきて理解するのに時間がかかってしまいます。次に授業ですが教授が、「授業中に発言をしないと参加したとみなさない!」というスタンスなので質問をしたり自分の意見を発することが必須となってきます。私は常にどうして?とかこれはどういう意味なの?と思って授業を受けてはいるのですが、たまに何も感じないときがあったりもします。また、これ気になる!と思っても50~60人ほどいる教室で手を挙げて発言するということはかなり難易度が高いです笑。ですが私にとって内容が本当にアカデミックで難しいので質問せざるを得ません。今日も頑張ってわからないところはわからないと、質問してきたいと思っています。

そんな教育社会学、大きな命題は「(学校)教育は社会階層を再生産するのか否か」ということだそうです。私たちを取り巻く環境、家庭、学校などといったものは今の児童や生徒、学生が親の社会階層を越えていく足がかりになるのか、親と同じ階層を歩むのか、それとも親より低い階層に移動するのか。そしてこれらのことには様々な要因が絡んでいるそうで、これからの授業を通して学んでいくので、どんなことを学んだかまたここでお伝えしていきたいと思っています。