上京したけど森だった話

~あるICU生のひとりごと~

ICUで3年目の春です

みなさんこんにちは!未だにコロナの感染は収まらず、東京では緊急事態宣言の延長も検討されていますが、GWで心と体を少しリフレッシュできたでしょうか?私は3月4月は少し元気ではありませんでした^^; 

このブログもずっと更新できておらず・・・冬学期のこと、東京に戻ってきたこと、コロナのこと、留学のことなどたくさんお話ししたいことはありますが、今日は春学期についてお話ししたいと思います!

 

ICUの春学期、授業形態は?

ICUでは今学期から、対面・オンラインという二つの授業形態に加えて、「ミックスモード」という形態を導入しています。これは今までのハイブリッド型とは違い、全員対面で授業をする日と全員オンラインで授業をする日をミックスする、という方式になります。火曜日は対面で木曜日はオンライン~といった感じです。ですが、実際にはまだ東京に来ることができておらず遠方にいる人、感染への懸念から通学を控えている人、感染の懸念から対面で受けたくない人、などに配慮しているため、対面の日であってもオンラインで受講している学生も多々いるためハイブリッド型とあまり変わらないような気もしています。

それでも、昨年度よりは「対面でも行います」という形式の授業が格段に増え、少しずつですがキャンパスに学生の活気が戻ってきています。それに伴い、学生食堂(通称ガッキ)の混雑や、学生の距離感の近さなどが問題視され、学生部長の教授から何度か警告文が送られてきていたりします(^^;)

また、オンラインで授業を受ける際のマナー「ネチケット」についても大学側から言及があり、カフェや電車の中など声を出すことができない状況で受講しないこと、カメラをオンにすること、ふさわしい服装で出席すること、などの指摘がなされました。受講場所やカメラはともかく、服装まで指摘されてしまうともともとスウェットで学校に通っていた身としては立場がなくなります笑

 

春学期に履修している授業

それではここで、今学期私が履修している授業の中から面白い!と感じているものを紹介したいと思います。

 

The World of Sign Languages (手話の世界)

この授業は通称ジェネと呼ばれるGeneral Education(一般教育)の一つになります。ICUではHumanities(人文科学)、Social Science(社会科学)、Natural Science(自然科学)の3分野で様々な一般教育が開講されており、それぞれ3単位ずつ(自然科学は6単位)に加えて合計で21単位の一般教育を履修することが卒業要件の一つとなっています。基本的にジェネは、それぞれのメジャーで開講されている基礎科目や専門科目への導入とされており難易度は高くありません。そのため、一年時にたくさん履修する学生や、逆に毎学期少しずつ履修することでその学期の負担を減らすようにしている学生もいます。

ですが、私が現在履修しているThe world of sign languageはジェネの割には少し難しいと感じています。この授業はE開講と呼ばれる英語で開講されている授業であるため、教授の講義、教科書、学生とのディスカッション、提出物は全て英語です。これが難しいと感じる一番の理由ですね笑 教科書は Deaf in Japan (Nakamura, 2006)を使用しており、毎回の授業までにだいたい20ページほど(多い日は50ページほど)読むのですが、日本についての話が多いことやわかりやすい英語で書かれているように感じるためリーディング自体は苦痛ではありません。

そして肝心の授業の中身ですが、この授業は手話を習得する、というよりはタイトルの通り手話の世界について学ぶ、という内容になっています。以前このブログ内でも「聾の世界」について少し触れましたが、手話というのは英語、フランス語、中国語などといった言語と並ぶ一つの言語であり、日本語を手で表現しているだけではありません。日本手話は日本語とは違った文法構造を持っており日本語とは別の言語です。そしてもちろん国によって手話は違ってきますし、同じ国の中でも方言があります。言語が違えば文化も違ってきます。そこで、どのような文化なのか、それがどうやって築かれてきたのか、そこには何が影響してきたのか(政治的、経済的名要因など)、といったことを学習していきます。また、この授業では聾の人たちを障がい者として見なさない方針です。言語的に少数派であるといった見方をしています。ですがこれについては当事者の方達の中でも意見が割れるところだそうです。

このように、The world of sign languageの中では手話を使用する人たちを取り巻く社会的状況の変化がどのように彼らの文化や手話使用に影響を与えてきたかを勉強していきます。先日は手話のワークショップもあり、聾の方とその通訳の方から少し手話を学びました。やっと手話の勉強ができました(*^_^*)これからも少しずつ勉強していきたいと思います。

 

hanamaru5.hatenablog.com

 

 

言語と社会

この授業はメディア・カルチャー・コミュニケーションメジャー(通称MCC)の100番台、つまり基礎科目になります。MCCはその名の通りとても幅広い分野を扱っているため、メディアの分野、言語の分野、文化の分野などといくつかの軸があります。私は今まで教育学や言語教育をとることが多くMCCは教職課程の関連で一つとっただけでしたのであまり詳しくはありません。今回この「言語と社会」の時間には違う授業をとる予定でしたが、変更期間にこの授業に変更しました。ICUには履修登録後、授業が開始してから一週間は自由に授業を変更することができる期間があるため、実際に履修してみて概要を聞いて、少し違うな、と感じた場合は変更することが出来るようになっています。

そして授業の中身ですが、この授業では主に「社会言語学」という言語学の発展的・応用的な内容を扱います。言語学ソシュールの一般言語学に代表されるように、言語そのものの仕組み(音や語彙、文法など)といった言語の構造・体系を研究する学問です(あまり詳しくなくすみません)。ですが、この言語学はただ音や文法構造を研究するのみで、人間の言語使用の側面を考慮していませんでした。そのため、人間がどのように言語を使用しているのか、人が移動することでどのように言語使用に影響するのか、今までにとられてきた言語政策がどのように人々の生活や言語使用に影響してきたのか、など、「人」の存在を重視していく分野になっています。

私は英語科教職を履修し、言語教育という分野で第二言語習得に関して少し学んできましたが、どちらかというと第二言語を習得することによる思考の変化だったり、文化への影響だったりに興味があったため、社会言語学の入門であるこの授業を発見できたことに運命的なものを感じています。私が勉強したかったのはこれだよーーー!笑まだまだ授業も始まったばかりで少ししか理解出来ていませんが、自分でも本を読むなどして学んでいきたいと思っています。

 

それでは長くなってしまいましたが、私が今学期履修中の授業紹介でした!GWも今日で終わりですが(ICUは3日と4日のみおやすみでした)コロナに気をつけて、五月病にも気をつけて、無理せず少しずつ・1つずつ、クリアしていきましょう。私も頑張ります・・・