上京したけど森だった話

~あるICU生のひとりごと~

インターナショナルスクールでの教育実習#1:1週目を終えて

現在スウェーデンに留学中の私ですが、インターナショナルスクールでの教育実習を行っています!今回の記事では、インターナショナルスクール、略してインターでの実習の1週目が終わったので、その感想やそもそもの教育実習を行うことになった経緯などをお伝えしたいと思います。(と言いながら、自分の振り返り用として記録したいだけです、お付き合いください笑)

 

大学のコース

私は現在ヨーテボリ大学に留学中なのですが、なぜに教育実習?と思われる方もいらっしゃるかと思います。実はこの実習は大学で開講されているコースの一つなのです。Teaching Practice for Exchange Students (留学生のための教育実習)というコースで、現地の学校(スウェーデンの学校、もしくはインターナショナルスクール)で20日間の教育実習を行います。

私はスウェーデンの教育を実際に見てみたいという思いが強かったためこのコースを履修することに。なのでスウェーデンの学校での実習を希望していましたが、スウェーデン語のできない留学生を受け入れることは難しいらしくインターでの実習となりました。履修要件として、十分な英語力、自分の国での教職課程履修が定められていますが、どちらも厳格には確認されませんでした。ですが、教育を学んでいることやこれから教師になる予定がない場合、実際に学校に行って「何しに来たの?」となってしまうと思います。現地の学校の先生方も忙しい中受け入れてくれているため、経験はなくとも、最低限意志や予定がない場合は失礼になりそうです。

 

このコースを履修した理由

スウェーデンの教育を実際に自分の目で見て学びたい、というのが一番の理由です。これは私の留学の最大の目的だったため、このコースだけは絶対に履修したいと思っていました。

また、私は昔から日本の教職課程(中高)では必修の実習が1回、それも2~3週間しかないことに疑問を抱いていました。経験が足りなさすぎると思っています。なので、できるだけ多くの、幅広い経験を積むため、というのがもう一つの理由です。教師として人として多くの経験を積んでから先生になりたいため、卒業後は一度就職し、その後大学院へ進み第二言語習得について学び(できれば実習もたくさんしたい)、それから教師になる計画を立てています。

自分が中高生だった時に、ずっと「学校」という枠組みにいる先生に「社会に出たら~」などと言われても反抗期の私にはまったく響きませんでした笑 もちろん、学校で働くことだって立派な社会人としての経験だし、素晴らしい先生はたくさんいます。でも私は、いろんな「世界」を経験した先生になりたいなって。一人くらいそんな先生がいてもいいんじゃないかなって思うんです。ほとんどの中高生にとって日常的に触れ合う大人は家族か教師くらい。ただでさえ狭い世界で生きている彼らにとって、「世界」は広いんだよ、教室だけがすべてじゃないんだよってことを、口だけじゃなくて私の生き方を通して汲み取ってもらえるような、そんな人になりたいなって思ってます。だから留学もそんな先生になるために決めたことで、この実習も将来の私にとって、将来の私の生徒にとって、きっといい経験になると思って決めました。

 

インターナショナルスクールってどんなところ?

現在私は、International School of Gothenburg Region (以下ISGR)というインターで実習を行っています。ヨーテボリにはいくつかインターがありますが、スウェーデンのカリキュラムだけを実施している学校もあるそう。日本では日本の学習指導要領に沿っていないインターは一条校として認められず、卒業しても日本での義務教育や高校教育を受けたことならないことが多いです。大学受験の際には受験資格として認められない場合もあります。このようにインター、と言ってもすべて同じではなく学校ごとや国ごとなどで違いや特色があるので定義することは難しいです。

ISGRは国際バカロレア(International Baccalaureate: IB)というプログラムと、スウェーデンのカリキュラムを実施する二つのセクションがある学校です。IBは幼稚園生~中学生まで(系列校に高校もあります)、スウェーデンのセクションは幼稚園生~中学生までで高校はありません。スウェーデンではインターも学校として扱われており、そこで教育を受ければ義務教育を受けたと認められます。スウェーデンは教育費が無料で、私立大学なども基本的にスウェーデン国籍があれば無料ですがISGRの場合経営の都合上からか、年間日本円で50万円ほど。確かに高額ですが、一般的に日本のインターは年間150万円かそれ以上、アメリカの私立高校なんて250万するところもあります。なので、インターにしては安いと思います。

そしてISGRには様々な背景を持つ生徒たちが通い、そこでは世界中から集まった先生方が教えています。私のクラスの担任の先生はオーストラリアの出身でアシスタントの方はカタールの出身。クラスの子どもたちの出身は、インド、中国、フランス、イギリスなどと様々ですが、学校全体でもインド出身の子たちがものすごく多い!ヨーテボリに車メーカー・ボルボの本社があることが関係しているそうです。

また言語ですが、IBクラスの公用語は英語。英語ができない子にはESL(English as a Second Language: 第二言語としての英語)の時間が設けられています。お家では違う言語を話す子たちが多いので、みんなバイリンガルもしくはマルチリンガルです、素晴らしいですね。カリキュラムはIBに則っているので詳しくはまた今度お伝えします。

isgr.se

 

1日の流れと私が行うこと

私はIBプログラムの3年生のクラスで実習を行っています。日本の学校のように1~6時間目、といったような時間割はなく、日によって、教科によって1クラスの長さが違うこともありますが大まかな時間割はあります。

1週目はとりあえずなんとなく見学して、ちょっと生徒を手伝ってね、といった感じでした。ですので、基本的に先生が授業を行うのを見て、生徒の間をまわり、困っている子がいればサポートする、といったようなことを行いました。2週目からは少しずつ朝のミーティングなどの活動や授業などを私も実際に先生として行っていきます。

どんな教科や授業が行われているのか、生徒の様子や先生の接し方などはまた別記事で!

1週目を終えての感想

緊張、楽しい、緊張、楽しい、緊張、疲労疲労疲労

というのが1週目を終えて感じていることです、(語彙力笑)。まず、やることをよく知らされないまま、知らないところに行って、知らない人たちに囲まれて1日を過ごすというだけで緊張と疲労が半端ないです。そして、英語!!!!私はここ数カ月、「緊張すると英語が話せない症候群」に陥っているので、緊張してなかなかうまく話せませんでした。それにそもそも、小学3年生の言っていることなんて日本語でもよくわからない時があります。加えて小さい声でぶつぶつと話すので聞き取ることができず、なんてところに来てしまったんだ!というのが正直な感想です。自分の英語力のなさに愕然として震えています。

ですが、それと同時にとっても楽しい!スウェーデンに来てから週に1、2回授業があるかないか、といった生活でのんびりするのが好きな私でも、実のところかなり前からこの留学に飽きてしまっていました。それが一転、毎日朝8時に学校に行き、15時までを過ごし、毎日生徒たち、先生たちと会います。やることができて、行く場所があって、別に必要とされているわけではないけれど、なんだか居場所ができた感じがして、すごく楽しいです。

そしてやっぱり私は教育というものに携わっている瞬間が最高に楽しくて大好きなんだなって再確認できています。確かに緊張するし、今までのゆるゆるスウェーデン留学生活から「普通」のルーティンのある生活になってどっと疲れているけれど、良い疲れです。やりきったーっていう(まだ大して何もしてないけど笑)、とってもいい疲れです。毎日学びと反省があって、明日はこうしてみようって、明日へのいい緊張と楽しみがあって、大げさだけど毎日を生きるのが楽しくなりました。

一緒にこのコースを履修している他の学生ともスタッフルームや実習終わりに会うことが多くて、それぞれのその日の経験を共有したり、それぞれの国の教育と比較したり、そういった話ができて本当に楽しいです。私今スウェーデンに来て一番楽しい。英語は全然話せないし、迷惑をかけているかもしれないし、子どもたちからは変な人、って思われているかもしれないけど、私、本当に心から楽しんでいます。

ISGRにいる先生や職員の方は本当にいい人ばかりで、私のメンターをしてくれている先生もとってもいい人です。今は年度末とっても忙しそうでまだあまりお話ししたりはできていませんが、とにかくいい人です。初めに生徒に私のことを紹介する際は、私の第一言語が英語ではないから生徒がはっきり話さないと聞き取りにくくなってしまうことや、それは私にだけでなく英語が第一言語ではない人と話す時に気を付けなければと伝えてくれたり、私に対しても、その先生は私を評価をするのではなくサポートをするためにいるから失敗などしても気にしすぎなくていいと言ってくれたり。私自身が、人からどう思われているのか、というかその人にとって自分が邪魔な存在になってないかな、迷惑かけていないかな、ということを気にしてしまう性質なので彼女に対してもそのことを気にしてしまってまだかなり緊張しているのですが、とにかくいい人だし、とても素敵な先生です。

クラスの子どもたちも最初は警戒している感じでしたが、今日5日目を終え、名前を憶えてくれる子も増えて話しかけてくれる子もぼちぼち!とっても嬉しいです。今日は授業で校舎の外に行ったのですが、先生が私を除く他の先生二人に従ってねと指示をした時に、私のことも指さして彼女もいるよ!!と混ぜてくれたことがとっても嬉しかった(*'▽') みんな私の酷い英語に耳を傾けてくれています、ありがたい、よし来週はこの感謝を伝えたいと思います。子どもたちについてもまた詳しく別記事で書こうと思います。

そんな感じで、私は今とっても楽しいです。人と会ったり遊んだりするもの楽しいけど、私はあんまり外向的じゃないから疲れてしまうことの方が多くて、心から楽しいって思えないことが多いです。でも何かを学んでいるときや自分の成長を感じられるとき(まだ成長してないけど、笑)、何かに一生懸命に打ち込んでいるとき、そんな時が一番「楽しいっっ!!」って感じます。1週目を乗り越えられたから、2週目も大丈夫だと思うし、3週目も、4週目も大丈夫だと思う!これを乗り越えられたら、英語も少しは伸びると思うし、将来の教師としての経験値も上がると思うし、帰国してからの教育実習にも耐えられると思う!頑張ってるよ私!と自分を褒めよう。

高校の時の恩師が、水球選手は水の中で鍛えるから陸に上がった時にその何倍も強さが発揮されるっていう例え話で自分に負荷をかけることの大切さを教えてくれましたが、私は今本当に水の中にいて負荷をかけている感じです。これが終わって陸に上がって、つまり日本に帰ったらきっと成長を感じられると思います。楽しみ。失敗ばかりでなかなかうまくいかないけれど、我ながら何かに挑戦している自分はかっこいいと思うしそんな自分は好きだなって思ったり。頑張って自己肯定して甘やかしながら、いろんな人に迷惑はかけるかもしれないけど、何てったって私は今水の中でもがいているのだから、そんなに自分を責めすぎず溺れない程度に、気楽に乗り切ろうと思います。