スウェーデン留学記⑫:障がいは社会にあると感じた話
みなさんこんにちは!スウェーデンに留学してきてもうすぐ約半年!残りの留学も3カ月弱です。ちょっと帰りたい6割、帰りたくない4割、といったところでしょうか、
12月・1月とは比べ物にならないほどの日の長さで(6時半くらいには日が昇り、19時くらいまで明るいです、もう既に!)毎日心がハッピーな私です。
そんな私がそういえば・・・と最近気づいたことについてお話しします。
AD/HD 気味の私
正式に検査を受けたわけではないのですが中学生くらいの頃から私はAD/HD なのではないかと疑いながら過ごしてきました。私の妹が幼少期にAD/HDのグレーゾーンと診断され、それからというのもの問題児のレッテルを張られてきたのを見ていたため発達障がいというものに私自身も興味がありました。
妹は多動の割合が多かったため良くも悪くも目立ってきましたが、ある日そんなことを言って実は私もAD/HDなのではないかと思い始めました。私の場合はどちらかというと注意欠如が強いタイプだと思います。例えば、
- 中学~高校と毎日の忘れ物は当たり前(完全に忘れ物をせずに学校へ行ったことはほぼない)
- 宿題をよく忘れる
- 宿題があることすら知らない(忘れる云々の前に本当に全く知らなくてびっくりすることがよくありました、聞いていないんですね)
- ケアレスミス女王(高校受験の数学はケアレスミスの撲滅だけで20点(60点満点中!)くらいアップしました笑)
- 少しの音などで集中が途切れる(シーンとした自習時間もみんなのシャーペンの音や時計の秒針などが気になってしまって私は全然集中できないので大体寝ていました。最近は順応してきましたが、音があると勉強できなかったため家でも耳栓をして勉強していました。)
- 定期券や財布、携帯をよく忘れる
- 家の近所でごみを投げるのを忘れてそのまま学校の近くまで持って行ってしまう(これは今思い返しても衝撃的笑)
- 通っていた学習教室によく衣類や筆箱などを忘れて帰る
- 学校にお弁当箱を何度も忘れる(しかも食べかけ、、)
- 常にどこに何を置いたかわからない、部屋が汚すぎる
多動の面では、
- 体のどこかが常に動いている、さもなければ寝てる(貧乏ゆすりなどが酷いです)
- 口の多動(ものすごくおしゃべりです、話していないと死にます。高校生の時、無意識で授業中に歌っていたことがあって周りにいた友達に歌ってるよ!?と言われたときは恐怖さえ感じました笑)
- 相手の話をさえぎって答えたりしてしまう
- 先生の質問が終わる前に答えてしまう(ハーマイオニーよりたちが悪いです、笑)
- 空気を読めず、衝動的な発言が多い(どれだけの人に不快な思いをさせてきているか…はかり知れません、ごめんなさい…高校の職員室で「寝させるような授業する先生が悪い」と大きな声で言ってしまったことは忘れません笑)
大学生になってからは、
- 圧倒的にスケジュール管理ができない
- 手帳、Googleカレンダー、ToDoリストのアプリ(リマインダー付き)、付箋、手に書くなどあらゆることをしても絶対に何か忘れる
- 優先順位がわからない(本当にわからないんです、そして締め切りなどが近づいてから、あぁ絶対これ今じゃなかった…と反省します。バイト中も本当にわからなくて何度怒られたことか…ごめんなさい…)
- 学校に傘を持っていくと99%の確率で忘れて帰ってくる
- 何かをしているときに違う仕事が入ったり興味がそれると最初にしていたことを完全に忘れて放置(バイト先では何回も怒られました笑、散歩帰りの犬を玄関の外に放置してしまったり、基本開けたものは開けっ放し、やりっぱなし、全部中途半端です)
などなどなど・・・これだけでもほんの一部です。多動の方は割と制御する術を身につけてきていると感じていまがやはり不注意の方は直すことがかなり難しいと感じています(いろいろ努力はしてるんです!!)。高校生の時は毎朝母が、「携帯持った?定期持った?お弁当持った?宿題は?」と声をかけてくれて、物をなくしても一瞬で見つけてくれていましたが、大学生になって親元を離れその助けがなくなり、より顕著に不注意な部分に悩まされることが増えました。
もちろんこれらは誰にでもあることだと思いますし、完全に診断されているわけではないので私がただ怠惰なだけかもしれません。ですがその頻度と事の重大さが大きいことが多く、大学生になってからはより、「みんなはできているのに私はこんなこともできない」「やっぱり甘えているだけで怠惰なのかな」「社会不適合者だ・・・」という思いが強くもともと低かった自己肯定感がどんどん低くなっていったりもしていました。
スウェーデンに来て変わった!?
そんな私ですが、スウェーデンに来てからこういったことで悩んだり落ち込んだりすることが圧倒的に減ったなと最近気づきました。この要因としていくつか思い当たるのは、
- マルチタスクが少ない
- 同じ期間に取る授業は多くて3つほど。なので優先順位をつけやすいです。
- 時間にゆとりがある
- 同じ期間に履修できる授業が少なく、授業もそんなに多いわけではないため日々の生活にゆとりがあります。そうすると慌てて何か行動しなければならないことが減り、外出前に確認をしたりする時間が増えました。
- デジタル化が進んでいる
- 何もかも携帯のアプリ化だったりデジタル化されているため、携帯さえ持っていれば、定期を忘れた!これを忘れた!あれを忘れた!ということが起こりません
- キャッシュレス化が進んでいる
- もちろんカードを忘れれば終わりですが、お財布にカードさえ入れていれば現金が入っていなくてもどこでも買い物ができます。
- それでもお財布ごと忘れますが笑
- 持ち物が少なくていい
- デジタル化・キャッシュレス化のおかげで持ち物が少なくていいので外出前の確認事項が減りました
- 現地の高校生はスマホとパソコンだけを手にもって身軽に通学してます(カルチャーショック)
- テストやレポートは再受験・再提出ができる
- 一度落としてしまってももう一度受けたり提出することができます。
- 期限が過ぎても提出出来ればいい
- これは教授やその授業にもよりますが、期限が過ぎてしまっても、コースが終わるまでに提出してくれればいいよ、と言ってくれる教授が多いことにびっくりしました。
などです。もちろんここで長く暮らし、働いたりすればまた変わってくるのだと思いますが、交換留学というレベルにおいてはこれらの環境要因のおかげで自分の欠如している部分が補われたり、そもそもそういったことが起きないような社会になっていると感じています。
こちらに来てから冬の間は紆余曲折あり、悩んだり精神的に落ち込むこともあったのですが、自分の不注意の部分で大きな損失を被ったり誰かに与えたり、生活がままならない…と落ち込んだりすることはほとんどなくなりました。
もちろん不注意などが完全になくなったわけではありませんが、(ワンルームで物も少ないのによく失くし物をしたり、コンロの火を付けっぱなしにしてしまったり、部屋を片付けられなかったり)圧倒的に少なくなりました。
今までこういった自分の不注意や多動の部分でたくさんの人に迷惑をかけたり、自分自身も嫌な思いをしてきたことがすっかりなかったことになってしまうくらい、本当に最近までこのことに気づきませんでした。
日本に帰ったらどうなるのか!?また同じことの繰り返しだったら本当に、「障がいは社会/ 環境の側にある」ということが立証できるような気がします。なので帰国後私の不注意や多動の面がどうなっていくか、また振り返ってみたいと思います。
それではまた!Hej då!