上京したけど森だった話

~あるICU生のひとりごと~

スウェーデン留学記⑥:3か月経過報告~生活編~

もう年が明け3日も経ってしまいましたが(ぼやぼやしてたらすぐにまた大晦日ですね笑)、2021年の留学生活を振り返ってみたいと思います。

 

生活面での話

大体日本以外の国では新年度は9月から始まります。そのため留学生というのものは8月半ばくらいに渡航するのが一般的です。ですが私の場合、大学(ICU)からの渡航許可が下りたのが8月半ば、スウェーデンからの居住許可が下りたのが8月下旬、ということで準備が間に合わず、9月下旬に1か月遅れでようやく渡航してきました。

たかが1か月、されど1か月。でもその1か月はとても大切だったんですね。寮やそのほかの団体などのウェルカムウィーク的なものはすべて過ぎ去り、授業ではもうみんな友達になってる上に、その時履修していた授業は残りの授業数が数回しかないという絶望的状況に加え、「友達」というものを小さい頃からこじらせている私にとって(そんなに友達は多くいません笑)、この状況から新しい友達を作ることはかなり困難でした笑

それでも、私の留学しているヨーテボリ大学には日本語学科があるため、日本に興味を持ち、日本語を学んでいるスウェーデン人の学生たちがホストしていろいろなところに連れて行ってくれたり、お家に呼んでくれたりしてくれたました。そこでコミュニティに入れた、お友達ができたと、思います笑

もともと友達がそれほど多いわけではないうえに絶望的にフットワークの重い私ですが、こちらに渡航してきてから2か月くらいの土日はほぼノンストップで誘われるがまま、呼ばれるがままについていきました(平日でも何もなければ行きましたね)。ある時はそこまでまだ仲良くなっていない人に誘われ、気が付いたらその子のお友達(初めまして)の車に乗って、郊外まで来ていて、深夜になり、帰れるのか帰れないのか!?みたいな、カオスな状況に陥ったこともありました(心配とは裏腹にみんなとてもいい人で、ちゃんと帰れました笑)。最初の2か月で、ここ3年間で遊んだ以上の人たちとあったり遊んだりした気がします。

そうすると、どうなるか。そうですね、もちろん疲れがどっと襲ってきます。最初の2か月は待ち望んでいた留学、すべてが新鮮で新しく、毎日が楽しい。ホームシックになることも大きなカルチャーショックを受けることもありませんでした。ですが、2か月を過ぎたあたりからどー----っと疲れが襲ってきて、北欧特有の日の短さも相まってか、寝ても寝ても疲れは取れない。どんなに早く寝ても朝は起きられない。もともと精神的にバランスを崩しやすいため、気持ちの面での不調、そこからの自律神経系の不調、そしてまたそれが気持ちに影響し…と3か月目である12月はほぼずっと沈んだ気持ちでいて、記憶がありません笑

何が原因だったのだろうと、いろいろ考えた結果、「カルチャーショックを受けていた」という結論に達しました。先ほどさほど大きなカルチャーショックを受けることもなく、と言った矢先ですが、私は気づいていなかったのです。ではどんなカルチャーショックを受けたのか。それは、遊び方・人との付き合い方、の面でのカルチャーショックでした。

スウェーデンの外食、特に夜ご飯はとても高いため夜に会う、となるとホームパーティーのような形でお家にお呼ばれすることが多くなります。それに加え、スウェーデンでは交通機関が深夜3時過ぎくらいまで動いています。すると、抜け出せない、帰るタイミングがわからない、<<<帰れない>>>という問題が発生するのです!笑

もともと一人が好きで、あまり長い時間人といることが苦手な私は帰れないという状況だったり、家に帰ると深夜1時、2時を余裕で回ってしまうという、日本にいたときにはありえない生活で、自分の生活リズムが崩れてしまうことに知らず知らずのうちに疲れてしまっていました。もちろん日本にいても大学生だとこういった生活は普通かもしれませんが、なにせ、大学生らしい遊び方などたいしてしたことのなかった私にとってこれはとてもしんどい状況だと、そしてそのことで疲れてしまっている自分がいると3か月目の終わりほどにようやく気付いたのです。

もちろん、これだけが理由ではありませんが、このことが私の気持ちの沈みや疲れといった部分に大きく影響していると発見することができました。原因を知る、ということはとても大切ですね。それだけで少し心が軽くなりました。

留学してきているのだから、社交的になってたくさんの経験をしなければ、と考えていましたし、もちろんそうかもしれません。ですが、今までやったことのないことを、海外にいるから急にできるようになるか、といえばそうではないのです。海外に来たってどこにいたって、あくまで私は私なんだなと、良くも悪くも変わらない自分、のようなものを実感しました。こんな私を変えていくべきか、そのままでもいいのか、それは残りの留学生活をかけて答え探しをしていきたいと思います。少なくとも急に自分を180度変える、ということは心身によくない、ということがわかりました笑

 

友達って・・・?

また、小さい頃から「友達って…なんだ?」と友達というものについてこじらせている私は、そのことでも悩みました、というか現在進行形で悩んでいます。

スウェーデン人の学生たちが良くしてくれて、友達になれた、と書きましたが、彼らは日本語コースで日本語や日本について勉強している学生たち。中には本来であれば日本で留学生活を送るはずが渡航制限によりオンライン留学を行っているという学生さんたちもいます。となると、同じ授業をとっているわけではなく、会うことができるのは良くて週末、スケジュールが合わないと月に数回です。特に私が仲良くなった人たちはなぜかみんなヨーテボリ郊外に住んでいたりするため、なかなか「今日ランチ行こうよ!へいっ!」とは誘えません笑

また、私がとっていた授業は対面のものが1つ2つしかなく、しかも週に1回程度。出遅れて輪には入れず(コミュ障が問題です笑)。本当なら授業を通して仲良くなることが一番だと思いますがそれをうまくできない私は、いまだにそんなに友達がいません。何も予定がなければ1週間のうちで誰とも会わないこともあります。英語力うんぬんの前に言葉を忘れそうです笑こんなんでいいのかな、いや絶対いいわけがない。と思いつつも何も行動を起こせない自分への苛立ちや焦り。そんなこともあって悩んでいます。

幸いにも1月半ばから新しい学期が始まります。新しく留学生もやってくるでしょう。そして次にとる予定の授業は、今までにとった授業より密度が濃そうです。そこでの学びやグループワークなどを通して、お友達ができたらいいなと期待しています。あ、ダメですね、期待するだけじゃ。そこで一歩踏み出せたらいいなと、思っています(思っています、は期待していますと変わりませんね笑)。

留学はもちろん勉強するために来ています。ですが、私は人との繋がりや関わりの中からの学びも大切にしたいと思っています。勉強したことは忘れてしまうかもしれないけれど(いや、忘れるな笑)、誰かと築いた大切な関係はずっと残るものだと思います。

人といると疲れる、などと言っておきながら矛盾したことばかり言っているように聞こえるかもしれませんが、疲れる、確かに疲れるけれど一緒にいて楽しい、また会いたい、そんな風に思える人たちと出会えれば、それはきっとかけがえのない宝物になる気がするのです。日本にいたって、できることかもしれません。でも、せっかく9か月をここで過ごすのだから、この場所でそんな人たち、たちじゃなくてもいいです、そんな誰かとお友達になれたら素敵だなって。そして、様々なところからきている学生さんの誰かとお友達になれれば、私の価値観だったり見る世界・経験することも日本にいるだけの時とはまた変わるかもしれません。

留学生活4か月目に突入し、2022年にもなりました。自分を大きく変えることは難しいけれど、受け身でいすぎることから抜け出して、少しだけ、ほんの少しだけ自分から動いてみる年にできたらいいなと思います。けれども最初の2か月のように、手あたり次第についていくのは疲れてしまうから、もしかしたら良い機会を逃してしまうかもしれないけれど、本当にそこに行きたいのか、その人たちに会いたいのか、自分に問いかけながら、過ごしていきたいです。自分との関係を大切にしないことには人との関係なんて築けない、そんなことを学んだ2021年、留学生活3か月間でした。