上京したけど森だった話

~あるICU生のひとりごと~

ICUでの寮生活~キャンパスで生活!?~

ICUの合格発表がそろそろ出る・出た頃でしょうか?

合格された皆さん、おめでとうございます!合格された方もそうでない方も、これから様々な選択をしていくと思います。選択は常に後悔がつきものです。どちらをとっても大なり小なり後悔したり、もう片方の道に行ってたら…なんて考えたりもします。それでも、皆さんが信じて進めばその選択はどれも正解だと思います(*^^*)

そして、合格した後に地方出身の私が一番気になったことは、「寮!!!」のことでした。でも私の時はあまり寮の情報を見つけられなかったので、ここでお伝えします!

 

ICUの寮の特徴

ICUの寮の最大の特徴は、大学HPにもありますが、「教育寮」ということだと思います。寮によって度合いは変わりますが、基本は学生が主体で寮運営を行います。

各寮には寮長、もしくはフロア長がおり、その人たちを中心に委員会の役割や、各寮・各フロアでそれぞれ違った役割が設置されており(これも自分たちで決めます)それぞれが役割を果たしながら寮を運営していきます。

月に一度の寮会・フロアミーティングでは、こちらもそれぞれの寮やフロアによって内容は異なりますが、直近の問題点や改善法などを各寮・各フロアに属する寮生が全員参加して話し合いをします。新しくルールを作ったり、時には罰則付きのルールができたりなんかもします笑。自分たちで様々な決定を行い、寮を運営していく、これがICUの寮の最大の特徴だと思っています。

ICUの寮はただ住むだけ・生活するだけの場所、というよりも自分たちで運営し、作り上げていく主体性や協調性が求められます。

 

寮のタイプ

ICUには全部で9つの寮があり、学生の約3分の1の800~900人ほどが暮らしています。すべてキャンパス内にあり、少しばかり近い・遠い、などありますが、5分くらいでだいたいの建物に辿り着くことができます。

旧寮

グローバルハウス(男女混合)、カナダハウス(男子寮)、第3女子寮、第4女子寮の4つの寮が旧寮です。「旧」とついているだけに歴史が古くICU開学近くから存在している寮もあります。

旧寮は他の寮に比べても自治の割合が高く、より多くを自分たちで決定し運営しているそう。寮生の数も新寮や新々寮と比べると少ないためそれぞれがより親密になりやすく、管理人さんとの距離も近いため、本当に家族のような関係性なのではないかと、外から見て思っています。

旧寮どうしの繋がりも強く、よく旧寮の間でカップルができていたりするらしいです笑

イベントなどの文化もたくさんあって、楽しそうです。ただその分、コミットしなければならなかったり、わいわいにぎやかな人たちが多かったりする(ごめんなさい偏見かも…)気がしているので、イベントが好き!楽しいこといっぱいしたい!という人に向いている寮かなと思います。

また、自治の割合が高く寮会なども深夜遅くまでしているなんて話もたまに聞きます。寮生活自体をICU入学の目的の一つとしてとらえている人にはうってつけの寮だと思います。

詳しい雰囲気はこちらをご覧ください!↓

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/global.pdf

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/canada.pdf

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/3rd.pdf

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/4th.pdf

新寮

銀杏寮(いちょう)、欅寮、樫寮の3つを合わせて新寮と呼びます。新寮は繋がってはおらずそれぞれ別の場所に位置していますが、造りは同じです。1階が男子フロア、2・3階が女子フロアとなっています。

新寮はICUの寮の中でも一番セキュリティが厳しく、新寮生以外はICU生であっても立ち入ることができません。セキュリティ面が心配な人には安心の寮ですね。

すべて二人部屋ですが、新々寮に比べるととても広いと思います。一フロア40人と多いですが、3フロアしかないので新々寮よりは上下フロアの繋がりもあるそう?また、そのため管理人さんとの距離も近いようで、羨ましいな~と新々寮生の私は思ったりしたり思わなかったり。

新寮にはシャワーしかないので新々寮の浴場を使うことができるのですが、使用できる時間帯に制限があったり、冬場はお風呂に入った後に移動しなければならなかったりします。

詳しい雰囲気はこちらをご覧ください!↓

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/ginkgo.pdf

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/oak.pdf

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/zelkova.pdf

 

新々寮

通称「しんしん」などと呼ばれる新々寮には、樅寮と楓寮の二つがあります。新々寮はその名の通りICUの中で一番最新の寮です(といっても2017年笑)。寮生だけでなくICU生みんなが集う場所というコンセプトに沿って、樅寮と楓寮の一階は繋がっており、ICU生ならだれでも使える、ソファやイス、テーブル、キッチンなどが設置されているホールや、セミナールームなどがあったりします。そして、新々寮生と新寮生が使える浴場もあります!また、共有部分であれば各フロアに寮生でないICU生を招くことができます。

樅寮は2階が男子フロア、3~5階が女子フロア、6階がジェンダーフリーフロア、7階が大学院生フロア。

楓寮は、2階が男子フロア、3~5階が女子フロアとなっています。

6階はすべて一人部屋ですが、それ以外のフロアは二人部屋12部屋、一人部屋8部屋、最大32人が一フロアで生活を共にします。

正直、部屋は新寮に比べると狭いですが、その分共有部分が広くなっています。スタディルームも各フロアにあります。一階に浴場があり冬でも外を移動せずに湯船につかったりできるのはいいところです。

新々寮はICUで一番新しいため、旧寮などと比べると文化や伝統などはまだ浅い方です。また、人数が多く基本はフロア内で寮運営を行うため、他の階との繋がりは正直薄くなりがちです。そのため、他の寮生からはマンション、などと揶揄されることもあります。

ですが、もうすぐ5年近く経つという中でそれぞれのフロアや寮で文化が形成されつつあります。個人の生活をお互いが尊重しあいながら、適度に繋がりを作ることができる、そんな寮です。私自身、新々寮に住んでいるのですが、寮に入らなければどうなっていただろうと怖くなるくらい、とても素敵な経験ができましたし、とても大切な友達ができました。新しい量のため、自分たちでイベントを作っていったりして、寮を作り上げていっている過程に関わることができました。

詳しくはこちらへ↓

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/momi.pdf

https://www.icu.ac.jp/campuslife/images/maple.pdf

 

寮に暮らしてよかったこと

一番はやっぱり、素敵な出会いがたくさんあったこと、です。

寮生活でできた友達って、私にとっては不思議な友達なんです。よく遊びに行くか、と言われたらそうでもない。すごく話や趣味が合うか、と言われたらみんながみんなそうではない。それでも、大学に入ってできた中でもトップレベルでかけがえのない友達たちなんです。

メジャーも違う、サークルも違う、趣味も興味も違う、そんな友達ができる経験って、もうそうそうないんじゃないかなって思います。そんなみんなと出会えて友達になれたこと自体がまず、寮に入ってよかったなって思うことの1つです。

全く考えや価値観が違うからこそ、話してみたら面白かったりするし、逆に理解できないなっていうときには、分かりたいと思って話したりしてました。あ、気が付かないうちに、ICUの寮運営の目的「対話」が勝手にできてましたね。嵌められた~笑

授業から学んだこともたくさんあるけれど、寮で生活する中で、学んだことは本当にたくさんあるし、そんな学びをくれた友達たちに出会えてよかったなって思います。

そしてみんな本当に多様なんですね。海外からの寮生ももちろんいますが、日本全国様々なところから来ていて、その上帰国生だったり、海外経験などのバックグラウンドを持っている人たちも多かったりして。東京にいながら軽くカルチャーショックを受けてことを覚えています。同じ日本人のはずなのに、文化や言葉(方言)、習慣も考え方も全然違う!「異文化」って海外のことだけじゃなかったんだな、自分の外にあるものはすべて異文化なんだなって気づいた瞬間でもありました。そんな気付きができたのも寮生活ならではでした。

他には…

  • わざわざ友達に会いに行ったり呼び出さなくても誰かしらいるから寂しくない、楽しい!
  • 寮の友達の前ではいつでも自然体でいられる(寝起きからすっぴんから、お風呂上がりから、お互い全部知っているので!)
  • たくさんの先輩から、いろんなことを学べる
  • 履修の情報や授業のことなど先輩から情報をもらえる
  • サークルなどに入っていなくても上下左右様々な人たちと出会うことができる
  • 海外からの学生と話すことで英語やそのほかの言語を勉強できる
  • 日本にいながら国際交流ができる(これは寮生でなくてもICUに入れば十分できますが…)
  • キャンパスに住んでいるから、授業ぎりぎりに起きても間に合う笑
  • お昼休みは帰ってきて食べることができるので食費が浮く
  • 通学の交通費がかからない

 

寮生活の大変なところ(個人的)

  • 二人部屋で、自分の方が早く寝たときなどは相手の音や明かりが気になってしまう
  • 共有のキッチンでトラブル多発しがち(絶対に誰かしらルール破る)
  • いろんな寮生のニーズをまとめるのが難しい(これはフロア長視点です笑)
  • 自分たちで運営すること
  • 相手に思っていることを伝えること(ルーミーに直してほしいところを伝える、など)
  • 文化の違いで何が「当たり前」なのかわからなくなる(日本と海外、だけでなく、今まで自分の家で慣れ親しんだやり方と友達の家のやり方は違いますし、地域によってもいろんなことが違ってきます。みんな自分の慣れている方法で掃除したりいろいろしたがるのでそれが衝突することもありました。)
  • どうしても一人になりたい時になれない時がある

 

ICUでの寮生活(勝手に)Q&A

それではここできっと皆さんが抱いていると思われる疑問に対して勝手に答えていきます!笑

Q: 寮に入るにはどのような選考過程があるの?

A: 詳しい選考過程は明らかにされていませんが、基本はハウジングオフィスという寮運営を担当する事務局が選考しています。第3希望まで選び、志望理由や寮に入ったらどのような生活がしたいか、などを書いて提出します。一応家庭の年収なども聞かれますが、年収が高いからという理由で落とされることはないと思います。出身に関しては、地方出身だからと言って必ず入れるというわけではなく、また近くに住んでいるから入れないというわけでもありません。寮の特徴で書いたように協調性やコミットが求められるので、ただ住みたい、というだけでは入るのが難しいかもしれませんし、入ってからも大変に感じると思います。

 

Q: 寮の先輩は怖い?

A: みんな優しいです!寮やフロアによりますが、多くの寮では敬語禁止!などのルールがあり、みんなタメ口で話しています。体育会系出身の私も最初はためらいましたが、1週間くらいするとすぐ慣れました。勉強や大学のこと、進路のことなどを教えてくれるときは先輩として、でも普段は友達として接してくれてお姉さん・お兄さんがいっぱいできた気分になります笑。自分が上級生になると、友達兼妹・弟がいっぱいできたような感覚になりました笑

 

Q: 寮に入ってルームメイトや他の寮生とうまく過ごせるか不安です

A: ほとんどの寮(少なくとも私の寮)ではアンケートをとったり、希望を聞いてお話を重ねて生活リズム合うルームメイト(ルーミーと呼んでいます)を決めています。また、新入寮生が来る際にはウェルカムパーティーをしたり、とにかくみんなわくわくではやく仲良くなりたい、新しい子のことをたくさん知りたい!という気持ちでいる人が多いです。よほどその寮のルールを破ったり、非常識すぎることをしなければ嫌われたりすることはないと思います。

ルーミーは他学年であることが多いです。もちろん合う・合わないがありますが、意外と二人部屋での生活も楽しいですよ!もし本当に合わないな、辛いな、というときはいつでも寮長やフロア長に相談してくださいね。

 

Q: 門限はあるの?

A: 一応あります!これ以上は言いません!笑

 

Q: 外泊はできる?

A: できます!

 

Q: 長期休暇中も滞在できるの?

A: 新々寮はそのまま自室に滞在できます。そのほかの寮生は、特に旧寮は夏の間閉寮するため、新寮の部屋に移動しなければなりませんが、滞在することはできます。

 

Q: 一回寮を出てもまた戻れるの?

A: 基本的には戻ることはできません。中途募集などがあれば応募することはできますが、自分がもともと住んでいた寮に戻ることができる可能性はかなり低いです。交換留学中に寮を開ける場合だけはその後戻ることができます。

 

Q: 寮に入ってよかった?

A: とっても良かったなって思っています!合わなかったら退寮することもできるので(実際様々な事情で退寮する人も多いです e.g. 休学、一人暮らししたい etc.)、気になっているのなら申し込むだけ申し込んじゃいましょう!

 

いろいろ書きましたが、寮の文化、特にイニシエーションについてはまた別の機会にお伝えします!今寮を選んでいる皆さんの参考になれば嬉しいです。

ICUを検討している受験生や高校1・2年生の皆さんはオープンキャンパスで寮ツアーもあるのでぜひ行ってみてくださいね🤗